REPORT農林水産婚レポ
水産業
ふたつの道を生きる
現代漁業のカタチ




- お住まい:宇佐市
- 結婚のきっかけ:知人の紹介
- 前職:歯科衛生士、調剤薬局
- 勤め先:水産会社
- 経営内容:底引き網漁全般(ご主人)
福岡市に生まれ、歯科助手として働いていた山田さん。
結婚を機に7年前、宇佐市へ移り住みました。
小さな頃から祖母の住む糸島が好きだったため、田舎暮らしに憧れがあったという山田さんですが、現在漁業を営むご主人は、出会った頃は建設会社のサラリーマン。
夫婦ともに、まさか漁業の仕事を受け継ぐことになるとは思っていなかったと言います。
人生の転機を経て、この道に辿り着いたその背景には2人の強い愛がありました。
福岡での暮らしから突然の転機
まずは2人の出会いから結婚までを教えて下さい
主人が福岡で10年間ほど働いていた頃に、知人の紹介で出会いました。
当時は、私たちもサラリーマンと会社員。順調に3年間ほどお付き合いをして私からプロポーズしました(笑)
奥様から!どういう所が決め手になりましたか?
多分、今まで一度も主人からはプロポーズされていないかもしれません!(笑)
でも長く付き合っていたので、もうこの人しかいないなとは思っていました。
…これ!というとこは思い出せませんが(笑)
旦那さまの地元に暮らすことになったのは?
ご主人:結婚後、そのまま福岡で暮らすつもりだったのですが、色々とあって会社を辞めることに。
その頃は、自分には何ができるのかと自問自答する毎日でした。
その時になぜか、「そうだ漁師になろう!」と(笑)。
突然思い立ったように聞こえるかもしれませんが、生まれた頃から見ていた実家の景色が背中を押したのかもしれませんね。
神様からのお告げですね(笑)奥様は反対しませんでしたか?
その時は驚きましたが、主人が会社を辞める前、色々と辛く落ち込んでいる姿を側で見ていたので…。
でも漁業に従事する今は明るく元気に海に出る姿を見て、これで良かったと実感しています。
そもそも私は田舎暮らしに憧れがあったので、全く問題はありませんでした。
ただ、自分の両親の存在だけが気がかりでしたが、勇気を出して話したら大賛成で(笑)
拍子抜けしましたが有難かったですね。

漁業を営む夫婦の新しいスタイル
現在もご自身のお仕事をお持ちですが、漁師の妻として良い点、苦労している点は?
私は主人の仕事を手伝っていませんが、最近ではこういう家庭も多いようです。
新しい漁業のケースかもしれませんね。
朝から美味しい魚を食べられるのは漁業の特権。
子どもたちも魚の味を分かっているようで、外食に行くと味の違いを感じるようです(笑)
特に、苦労している点はありません!
節約や、やりくりも特にはしていないので有難いですね。
ご主人:苦労はないと言ってくれて、すごく嬉しいですね。
でも天候などで漁に乏しい時もあるので収入の増減は否めませんが、こんな風に言ってくれて頼もしいですね。
奥様に手伝って欲しい、またお子さまに継いで欲しいと思いますか?
ご主人:いえ、特には考えていません。
自分の仕事ですし、妻には手を出させないようにしたいと常に思っています。
子どもも姉妹なので、この仕事は厳しいですが次男の子が生まれたら是非にとは思います。(来年、第三子出産予定!)
妻とは、子どもたちが手を離れたら、2人でのんびり漁に出るのもいいなあと考えたりしますね。

お互いに思いやりを忘れずに
奥様は宇佐へ来て、その印象や好きなとこはありますか?
初めは方言が強く、誰と話してもキツく聞こえて怖かったんですね(笑)
でも実は、みんな本当に優しくて温かい人ばかり。
近所付き合いも盛んで、子どもたちもおやつをもらったり、野菜と魚を物々交換したりと楽しい毎日です。
多忙なご主人ですが、家族へのサポートはありますか?
主人は半年間、深夜漁に出て朝帰ってくるサイクルなんですね。
そんな中でも、保育園の送迎や家事もとても協力してくれています。
実は私が魚を触るのが苦手で…
でも食べるのは大好きなんです(笑)
主人が美味しく捌いてくれるのでとても助かります!
ご主人:1年の半分は家族と反対の生活ですが、自分がいない間は妻がすべてしてくれているので。
それを思うと、自分にできることはやりたいと思いますね。

1日のスケジュール
<あゆみさん>
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起床 身支度 子供を起こす
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朝食
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保育園に送り、出社
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子どものお迎え
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夕飯の準備、お風呂の準備
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夕飯 子どもたちを遊びつつ家事全般
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子どもを寝かしつけながら就寝
<ご主人> 夏バージョン
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起床
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出航
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帰港、市場へ
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水産会社へ
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帰宅 食事 お風呂(子どもの送迎)
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就寝
1年のスケジュール(ご主人)
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サヨリこぎ
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底引きこぎ
-
けたこぎ
-
網の修繕、船の修理など
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